高いモデルに全部やらせない。2つ組ませて費用を36〜39%下げた実測
Devin を作っている Cognition が、計画役と実行役に別のモデルを割り当てる仕組みを公開した。スコアはほぼ同じまま、費用は $12.36 → $7.90(36%減)。安くなる理由は、2体が会話全体を渡し合わないこと。
計画する側と、手を動かす側を分けた
AIエージェント Devin を作っている Cognition が、2026年9月11日に Fusion という仕組みを公開しました。1つの仕事に、2つのモデルを別々の役で当てます。
記事の言葉では、lead(先導役)が「the plan, interpretation of ambiguity, and review」——計画、曖昧なところの解釈、そして確認を持つ。sidekick(相棒役)が「explores code, implements changes, runs tests, and reports back」——調べて、直して、試して、報告する。lead には高いモデル、sidekick には安いモデルを置きます。
lead は常に結果を確認し、sidekick の手に余ると判断したら自分で引き取る、とも書かれています。
スコアはほぼ同じ、費用は36〜39%減
Artificial Analysis の Coding Agent Index v1.5 での比較です。Claude Code/Fable 5.1 が 62.2、Devin Fusion(Fable 5.1 + SWE-2)が 61.7。Codex/Astra が 61.6、Devin Fusion(Astra + SWE-2)が 58.9。
同じ並びの費用がこうです。$12.36 に対し $7.90 で「36% lower cost」。$7.47 に対し $4.54 で「39% lower cost」。記事はまとめて「up to 39% more efficient compared to other model harnesses」と書いています。
スコアは 62.2 と 61.7。ほぼ並んだまま、費用のほうが4割近く下がっています。どちらを取るかは、業務によって変わります。
安くなる理由は、会話を渡さないこと
途中でモデルを切り替える作り(model routing)だと、プロンプトキャッシュが切れます。最初の指示だけでは仕事の難しさが分からないから、途中で判断することになり、そこで切れる——というのが記事の説明です。
Fusion は切り替えません。2体が同時に、それぞれ自分の文脈を持ったまま動きます。やり取りするのは会話の全部ではなく「briefs, results, and feedback」だけ。渡すものを絞ったから、どちらのキャッシュも生き続ける、という作りです。
単価が3.75倍でも、総額が安いことがある
sidekick を選ぶ比較の表が面白い。GPT-5.6 Luna は $0.20/Mtok で、結果は 62.0、かかった費用が $2.39。SWE-2 は $0.75/Mtok——「+275%」と書かれています——で、結果は 63.4、費用は $2.34 で「−2%」。
単価が3.75倍のモデルのほうが、スコアが高く、総額は安い。やり直しが減ったぶんが、単価の差を上回っているということです。単価の比較だけで選ぶと、この差は見えません。
同じ切り分けが、業務の側にもある
この話は開発の中の出来事ですが、形は業務と同じです。決まっている部分と、判断が要る部分を分ける。判断する側が結果を確認し、手に余るときは引き取る。分けたから安くなった、というのがこの実測の中身です。
違うのは、開発の側では確認役もモデルだということ。業務では、そこが人になります。
根拠
- Cognition「Fusion」(2026年9月11日公開) / 取得日 2026-09-15https://cognition.com/blog/local-fusion
次の行動
- AIに任せている作業があるなら、それが「決まっている作業」なのか「判断の要る作業」なのかを分けて書き出す
- いちばん高いモデルを使っている箇所を1つ選び、そこが本当に判断の要る箇所かを確かめる
- 単価ではなく、1件を終えるまでの総額で比べる。やり直しの回数が入っていない比較は当てになりません
同じ方に向けて、もう1本あります
1つの作業を教えていただければ、測る対象を一緒に決めます。3営業日以内に返信します。